――き〜んこ〜ん……か〜んこ〜ん…………
「う、う〜ん…………」
気持ちよく寝てるんだから邪魔しないでください。
「……うにゅぅ…………へにゅぅ…………」
あったかくて、ふかふかしてて、幸せだよ〜。
お日様のにおいと…………消毒液のにおいがして…………。
え? 消毒液!?
――がばっ!
「こ、ここは?」
「……どこ?」
「え? あ、け、慧ちゃん」
……え〜っと、こ、ここは? 保健室だよね? うん、保健室。
「保健室だよー」
「……知ってる」
あれ? ど、どどどどうして、こんなところで寝てたんだろ?
「よかった。生きてた」
「い、生きてたって、どういうこと?」
わ、わけわからないよー。
――コンコン
「失礼します」
――ガラガラ
「あ、千鶴ちゃん」
「気が付いた? よかった。はい、これ着替えと荷物」
着替え? あ、体操服着てる…………。
え〜っと、これは体育の途中だったんだよね?
ちゃんと思い出さないと…………え〜と、う〜んと。
「珠瀬さん? どうかしたの?」
「え? ええっとね…………ミキ、どうしたんだろう?」
「……記憶が混濁してる」
え? え? 記憶がコンダク?
「強く頭を打ったのかもしれない」
「あなたのスパイク顔面に受けたんでしょ!! 人ごとみたいに言うのはやめなさい!」
あ、そ、そうだ! 思い出しましたー。
バレーボールやってて、それで慧ちゃんが飛んで、スパーンって すごい音がして、
白い何かが飛んできて…………
それから、え〜っと、ゴスーン! ってまたまた音がして目の前が真っ暗になって…………
記憶がないよ…………。