「…………」
 ……でも、確かに。
 ……見れば見るほどかわいくないかも。
 白銀君の言う通りよね。
 ――『かわいくねぇ〜なあ』
 …………悪かったわね。
 べつに、かわいいなんて思われたく……ないわよ……。
「あなたはかわいいって思われたい?」
「そうよね…………」
 ぬいぐるみなんだから…………。
 せめて、そう思われたいわよね?
 誰にも選んでもらえなくて、捨てられちゃうなんて、イヤに決まってるよね?
 ……裁縫セット、あったわよね。
 それに……今日部活で使おうと思っていたタオルとハンカチ。
 …………。
「────よしッ!!」
 2度とひどいこと言わせないんだから。
 せめて、あなただけでもあいつを見返してやりなさい。
 そのためには……そうね、特徴をハッキリさせた方がいいわね。
 …………マユがちょっと細いかな?
 もうちょっと太いほうが愛嬌あってかわいいと思う。
 ――ちくちく、ちくちく…………
 …………眉毛にバランスをあわせて、目を少し離して……そうだ、目を下のほうに下げると
生物学的にかわいいっていう記号だって聞いたことがあるわ!
 ――ちくちく、ちくちく…………
 …………よし、できた。
「…………!!」
 ────か、かわいい……かも……。
 い……いけない、くらくら来ちゃった……。
 手には肉球があった方が似合うかな?
 ――ちくちく、ちくちく…………
「…………ふぅぅ……」
 うん、上手くいってる。
 この背中の翼も押しが弱いわねぇ?
 もっと思い切ったほうがいい。今のままじゃ地味なのよ。もっと丸みを強調して……。
 ――ちくちく、ちくちく…………
「は、はぅぅぅ……」
 ……ちょ、ちょっと、気が遠くなっちゃった……。
 どうしよう……私、こんな才能あったんだ……。
 客観的に見ても統計学的に見ても生物学的に見てもかわいすぎるわッ!
 …………ふっふっふ。
 これで2度とかわいくないなんて言わせない!
「じゃあ、あなたはここにいて、明日の朝あいつを驚かすのよ? わかった?」
 見てなさい、白銀君!
 絶対に後悔させてあげるんだから!
「…………」
 ……でも、確かに。
 ……見れば見るほどかわいくないかも。
 白銀君の言う通りよね。
 ――『かわいくねぇ〜なあ』
 …………悪かったわね。
 べつに、かわいいなんて思われたく……ないわよ……。
「あなたはかわいいって思われたい?」
「そうよね…………」
 ぬいぐるみなんだから…………。
 せめて、そう思われたいわよね?
 誰にも選んでもらえなくて、捨てられちゃうなんて、イヤに決まってるよね?
 ……裁縫セット、あったわよね。
 それに……今日部活で使おうと思っていたタオルとハンカチ。
 …………。
「────よしッ!!」
 2度とひどいこと言わせないんだから。
 せめて、あなただけでもあいつを見返してやりなさい。
 そのためには……そうね、特徴をハッキリさせた方がいいわね。
 …………マユがちょっと細いかな?
 もうちょっと太いほうが愛嬌あってかわいいと思う。
 ――ちくちく、ちくちく…………
 …………眉毛にバランスをあわせて、目を少し離して……そうだ、目を下のほうに下げると
生物学的にかわいいっていう記号だって聞いたことがあるわ!
 ――ちくちく、ちくちく…………
 …………よし、できた。
「…………!!」
 ────か、かわいい……かも……。
 い……いけない、くらくら来ちゃった……。
 手には肉球があった方が似合うかな?
 ――ちくちく、ちくちく…………
「…………ふぅぅ……」
 うん、上手くいってる。
 この背中の翼も押しが弱いわねぇ?
 もっと思い切ったほうがいい。今のままじゃ地味なのよ。もっと丸みを強調して……。
 ――ちくちく、ちくちく…………
「は、はぅぅぅ……」
 ……ちょ、ちょっと、気が遠くなっちゃった……。
 どうしよう……私、こんな才能あったんだ……。
 客観的に見ても統計学的に見ても生物学的に見てもかわいすぎるわッ!
 …………ふっふっふ。
 これで2度とかわいくないなんて言わせない!
「じゃあ、あなたはここにいて、明日の朝あいつを驚かすのよ? わかった?」
 見てなさい、白銀君!
 絶対に後悔させてあげるんだから!


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